こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

前回からのブログの続きです。

接着治療には、「スーパーボンド」を使用します。用途が多岐に渡り、非常に優れた歯科材料と言えます。今回のような接着治療には、スーパーボンドの特性が活かされています。その最大の特性としては、一般的なレジン材料とは異なり、「水分と空気の存在する “歯質界面から重合が開始する”」という特性があります。
これにより、乾燥の難しい生活象牙質でも、「安定した接着性」 と 「優れた封鎖性」 を発揮することができるわけです。

通常のレジンにおいては、水や空気のないレジン中心部から重合が進むので、窩壁部が最も遅く硬化します。そのため、歯質との間にギャップができやすくなります。また、水や空気と触れている部分は未重合層として残りやすい傾向にあると言われています。

ところが通常のレジンは中心部から硬化開始するために、最終的に少し収縮することに対して、スーパーボンドは界面から硬化開始して、しっかりと接着する性質があります。

また、もう一つの特性としては「衝撃に強い」というところにあります。スーパーボンドの硬化体は柔らかく粘り強いクッションとなり、衝撃を吸収してくれます。
それでは症例の続きです。

冠・メタルコア(土台)を除去したところです。

3根管にガッタパーチャと呼ばれる根管充填材を確認できます。

全てのガッタパーチャを除去したところです。

MB根において、根尖部に破折線が認められます。

拡大画像です。

破折を認めない2根管、近心舌側根(ML)と遠心根(D)には根管の清掃と消毒が終わりましたので根管充填を行いました。

根尖に破折が認められるMB根にスーパーボンドを填入していきます。

スーパーボンドと一緒に支柱としてファイバーポストを入れます。

そのまま、ファイバーコアによる支台築造を行います。

術後のレントゲン写真です。

後日、セラミッククラウンによる被せ物(補綴治療)を行いました。

もちろん、即日治療で行いました♪(´ε` )

歯根破折のような複雑な治療は、今後の経過観察がとても重要です。

咬合という機能回復ができるという目的達成が予後確認の最初の基準になるかもしれません。

お疲れ様でした(*^▽^*)

今日も一日頑張りましょう!

“すべては患者様の笑顔のために”

今後ともよろしくお願い致します。

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科