再生の扉が開く時 ─歯に命を吹き込む瞬間─【歯髄細胞移植始動】
こんにちは。
ハートフル総合歯科グループの歯科医師、本山 直樹と申します。
私は、歯内療法専門医の立場から根管治療における臨床症例を通して感じたことをブログに書いております。
今回は、前回からのブログの続きとして「初めての歯髄細胞移植に向き合って」ということで、現在の歯髄再生治療における近況や気持ちについてもう少し書いてみました。
歯髄再生治療について、本格的に引き継いでから半年以上が経過しました。
ついにこの日がやってきました。歯髄再生治療において最も重要なステップの一つ、歯髄細胞の根管内移植。無菌化まで完了した根管を前に、これからこの歯に新しい生命を吹き込むような感覚に、自然と背筋が伸びます。
治療当日に向けて、先日歯髄再生治療チームとのミーティングを行いました。
お昼休みに2日間に分けて移植手順の再確認、症例の共有、予測される課題への対応など、ひとつひとつの確認作業は極めて慎重に、そして真剣に行われます。
これはチーム医療の真価が問われる瞬間でもあります。
そして、実際に使用する器具や材料を用いた事前のシミュレーションも実施しました。
細胞懸濁液の取り扱い、根管内への注入時の圧力調整、注入後の仮封方法など、どの工程にも繊細さと精度が求められます。
特に再生治療では、「ちょっとしたミス」が結果に大きく影響するため、全員が一切の妥協を許さず、集中力を高めて臨みました。
この治療の先には、患者さんの“歯を守る未来”が確かに見えています。
まだ始まりにすぎませんが、確かな一歩を踏み出すための準備は整いました。
治療当日、最高の結果を目指して、チーム一丸で取り組みたいと思います٩( ‘ω’ )و
シリンジに細胞懸濁液を吸い取った状態。これを根管内に移植します!
ここまでが1日目になります。
2日目は歯髄細胞を抽出されて、これから根管内に歯髄細胞を移植するというところを想定して、事前に私が用意した抜去歯牙模型にてマイクロスコープ下で根管内に移植、その後バイオデンチンに見立てたセメントを充填するところまで行いました。
単根管なのか複根管なのか、残存歯質の状態によって移植量などを考える練習になりました。
最後の写真は、実際にクリーンベンチ内で調整しているところです。
1日目は最初から最後までの通しを動きの制限のないところで行いましたが、実際はクリーンベンチ内での作業になるため、動きの制限が予想されます。
2日目はそれらを想定して実際にクリーンベンチ内でのシュミレーションを行いました。
やはり、狭いクリーンベンチ内においてはある程度動きの慣れが必要であることが分かりました。
歯髄再生治療チームの皆さんは、それぞれが事前にしっかりと予習してきてくれて、そのやる気と熱意に胸を打たれました。
ありがとうございます♪(́ε` )
『鞠躬尽力、死して後已まん』-諸葛孔明-
(きっきゅうじんりょくして、ししてのちやまん)
【ひたむきに己の全力を尽くし、死ぬまで止めない覚悟である】
この名言は謙虚さ、誠実さ、全力投球、後悔のない生き方、そして充実
感を追求する精神を伝えてくれる彼の卓越した哲学と人生観を示すもの
です。
「すべては患者様の笑顔のために」