こんにちは。
ハートフル総合歯科グループの歯科医師、本山 直樹と申します。
私は、歯内療法専門医の立場から根管治療における臨床症例を通して感じたことをブログに書いております。
今回は、「見つからない根管と偶発的穿孔」になります。
「他院で抜歯になるかもと言われたんです…」
初診時、そのように話された患者さんはとても不安そうな表情でした…
主訴は、左下の奥歯を他院で根管治療したが、1根管しか見つからず、とりあえずその根管だけ根管充填したが、違和感があり、痛みもたまにある…
つまり、歯の根の治療(根管治療)を受けたものの、治療後も痛みが続き、どうやら大事な“根管”が見つからなかったということであると考えられました。
根管を探しても見つからないまま、最後は「もう抜歯も視野に」と告げられたそうです…

実際にレントゲンを撮影して診査してみると、確かに重要な根管が未処置のまま残っていました。
しかも、歯が薄い部分がレントゲンより確認できるため、他院での“根管探し”の際にパーフォレーション(本来削ってはいけない部位への穿孔)が起こっている可能性について最初にお伝えしました。
実際の治療における診断結果より、この歯には二つの問題が起きていることが確認できました。

♦見逃されていた根管と無防備なパーフォレーション
1つ目の問題は、本来見つけるべき根管が処置されないまま残っていたことです。
下顎大臼歯のような複雑な歯では、根管が湾曲したり枝分かれしたりしており、経験や設備がないと“見落とされる”ことがあります。
また、過去に他院で治療された時から適切な対応がされておらず、そのまま月日とともに石灰化が起こり根管の閉鎖、もしくは根管の入口すらも見つからないケースはいくつか見られることがあります。
当院では、必要に応じてCTを用いて3D画像で立体的に根の走行を把握し、マイクロスコープで視覚的に根管口を確認します。
今回は、結果として他院で「見つからない」とされていた根管を、無事に確認して治療を開始することができました。
2つ目の問題は、根管を探す過程で歯に“穿孔”(パーフォレーション)が起こっていたことです。
本来削るべきでない場所に達してしまい、歯の外と中が交通してしまうこの状態は、放置すれば感染を引き起こし、抜歯リスクが一気に高まる非常に深刻なトラブルです。

見つけられなかった根管、私たちは見つけられます!
歯の根はまっすぐで単純な構造ではありません。特に大臼歯などでは、形の複雑な「MB2根管」などが見落とされがちです。
当院では、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)とCTによる精密な診断をもとに、通常の処置では見逃されやすい根管も確実に見つけ出します。
今回も、見つからなかった根管をしっかり確認して、無菌的に清掃・消毒を行うことができました。

穿孔への対応には、MTAという選択肢があります!
パーフォレーションを治療するには、封鎖性と生体親和性に優れた材料が必要です。
そこで私たちが選んだのは「MTA(Mineral Trioxide Aggregate)」と呼ばれる歯科材料です。
この材料は水分がある環境下でも硬化し、また殺菌作用を持ち合わせています。封鎖性の高い材料であり、周囲の歯周組織ともよく馴染むために穿孔部の封鎖と歯の保存を両立できるのです。
今回も、MTAを用いて穿孔部を慎重に封鎖して、無菌状態を保ちながら根管の洗浄・消毒・封鎖を進める治療計画を立てました。

これらの処置により、患者さんの大切な歯は「抜歯」ではなく、「保存」という選択肢に希望を見出すことができました。
「もうダメかも」と言われた歯でも、まだ可能性があります٩( ‘ω’ )و
今回のケースでは、見逃された根管を発見して、パーフォレーションも適切に封鎖することで、抜歯せずに歯を残す治療方針が立てられました。
患者さんからは「治療法が見つかって本当に助かりました」と笑顔でお言葉をいただきました( ✌’ω’)✌
歯を残すためには、「どこまで丁寧に、精密に診るか・治すか」が大きな分かれ道になります。
他院で難しいと言われた症例でも、あきらめる前に一度ご相談下さい。
ハートフル歯科は、「歯を残す」ことに本気で取り組んでいます。

♦無菌化×精密根管治療×専門医で歯の未来は変わる!
根管治療は、“どれだけ細かく診て・どれだけ確実に処置できるか”で、結果がまったく変わる分野です。そして、それらを誰が治療するかによっても変わります。
再発や痛みの多くは、根管内の感染除去が不完全なことに由来します。
当院では、CT・マイクロスコープ・ラバーダム・MTAなどを駆使して、根管を無菌化することに徹底的にこだわります。
また、細菌検査による細菌の視覚化をとおして、無菌化の確認を行っています。
※細菌検査を含む無菌化根管治療は自費治療になります。詳細はご相談下さい!

見えない部分こそ、最も丁寧に扱わなければいけません。
そして、どんなに複雑な症例でも、「歯を残す」ための道を常に探ります。
他院で「難しい」「抜歯しかない」と言われた歯でも、精密な診断と無菌化の徹底によって救える可能性は十分にあります。
今回のように、見逃された根管・パーフォレーションという複合的な問題にも、正しい知識と技術があれば対応できるのです。
「もしかして、自分も…」と不安を感じている方は、どうか一度、私たちにご相談下さい!
ハートフル歯科は、“歯を残す”ことに本気で向き合う精密根管治療専門クリニックです。

お問い合わせはこちらから↓
三鷹・東京で精密根管治療をお探しならハートフル歯科|無菌化で再発防止
「すべては患者様の笑顔のために」
                                   本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科