【信頼がつなぐ再会】「バイオセラミックシーラー」を用いた精密根管治療~数年前の治療に満足されて、再び当院へ~
こんにちは。
ハートフル総合歯科グループの歯科医師、本山 直樹と申します。
私は、歯内療法専門医の立場から根管治療における臨床症例を通して感じたことをブログに書いております。
今回ご紹介するのは、当院にとってとてもうれしい再会から始まった症例であり、バイオセラミックシーラーを用いた精密根管治療の症例になります。
患者さんは68歳の女性。数年前、右上6番と7番の奥歯に精密根管治療を行い、その後の経過も良好で「しっかり噛めるようになった」と大変ご満足いただいていました。
ところが、最近になって近医で左下の奥歯(第二大臼歯)の詰め物をやり直す治療をすすめられて、治療を行ったところ、治療後数日経過して強い痛みと違和感を感じるようになり、止む無く他院で神経(歯髄)を取る「抜髄」処置を受けることを説明されたそうです。
他院における治療に不安を感じて、根管治療に関しては「また本山先生にお願いしたい!」と思い、再び当院にお越し下さいました。
<精密根管治療が必要な理由>
初診時のレントゲンと現在までの症状における経過より、診査・診断を行いました。7番と呼ばれる第二大臼歯は根管形態が複雑で、未処置部分や不完全な細菌除去などによって、再発率の高い歯になる傾向があります。大臼歯は根の数や形に個人差が大きく、特に高齢になると石灰化や狭窄が進み、一般的な治療では見落としやすい部位が多く存在します。そのため、根管に関わる治療に対して精密根管治療は必須であると考えています。当院では、ラバーダムによる無菌的環境下かつマイクロスコープを使用した精密根管治療を標準的に行っております。
また、私は従来の精密根管治療を発展させた細菌検査を取り入れた再発しにくい無菌化根管治療も行っています。
今回、使用したバイオセラミックシーラーを用いた根管充填につきましては、自費治療になりますことをご了承下さい。
<治療方針と工程>
当院では、ラバーダム防湿・マイクロスコープ・超音波器具を標準装備として、無菌的環境で治療を行います。
感染している神経(歯髄)を除去して、次亜塩素酸ナトリウムとEDTAでの化学的洗浄、超音波による薬液活性化を行い、細菌を可能な限り除去しました。
その後、根管拡大・清掃、洗浄・消毒を行い、根管内における状態と疼痛の有無などを確認後、バイオセラミックシーラーを使用して根管充填を実施しました。
<バイオセラミックシーラーの有用性>
従来のシーラーは硬化後にわずかな収縮や経年劣化があり、再感染のリスクが否定できません。
バイオセラミックシーラーは、硬化時にわずかに膨張して根管壁に密着して、微小漏洩を防ぎます。また、生体親和性が高く、根尖部から微量に漏れ出た成分が骨や歯根膜の治癒を促します。さらに、高pH環境による抗菌作用も持ち、残存菌の活動を抑制します。
長年の臨床経験からも、この材料は「根管治療の成功率を高め、再発を減らすための強力な武器」であると実感しています٩( ‘ω’ )و
<治療結果>
治療後の根管充填まで終了した術後レントゲンにおいて、根尖まで密に充填材が行き渡っていることを確認しました。患者さんの症状は消失し、咬合時の違和感も解消しております。現在は定期検診で経過を観察していますが、炎症や再感染の兆候は認められません。
<まとめ>
精密根管治療は単なる「痛みを取る治療」ではなく、歯を長期的に守るための再感染防止が最大の目的です。特に大臼歯は治療難易度が高く、マイクロスコープと無菌的処置、そしてバイオセラミックシーラーのような高性能な材料が欠かせません。
「この歯はもう抜くしかない」と思っても、適切な精密治療で残せる可能性はあります。お困りの方は、ぜひ一度当院へご相談下さい!
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「すべては患者様の笑顔のために」
本山 直樹