こんにちは。

ハートフル歯科のドクターM

本山です。

 

今回は、、、

「MTAを使用する場合」についての続きになります。

一部症例を見ながら説明していきたいと思います。

右下7番の根管治療を他院で治療中。

痛みはないが、根尖部の腫脹を繰り返しており

抜歯が必要と診断され、セカンドオピニオンで来院。

術前は歯肉が腫れている状態でした。

根管内をマイクロスコープで確認すると

根管内には以前の根管充填材が入っている状態でした。

しかし、根管内にはむし歯が多く残っており、

このような環境下では精密根管治療を行うことは困難です。

まず、むし歯の除去から始めました。

次に根管内を確認すると根尖孔が大きく開いていました。

通常の根管充填材の対応は困難と診断し、MTAを使用することにしました。

以前に充填されているガッタパーチャが見えます。

その上の部分にはむし歯が壁についていることが分かります。

水色丸部分は擦るとポロポロ取れてくる場所があります。

そこはむし歯です。

しっかりと除去しないといけません。

根尖に出血が見られます。

根尖が大きく開いているのが分かります。

黄色丸部分は、開いた根の先です。
赤色丸部分は、出血です。

根管内を清掃、消毒後には根尖の出血もなくなっていきました。

治療が進むと、むし歯は除去されて壁面は白くなり、
そして炎症が治まり出血は止まります。

MTA充填への準備が整いましたので、MTA充填を行いました。

この患者様は治療開始から徐々に痛みも腫れも引いていきました。

治療回数は充填まで含めて4回でした。

今後は3ヶ月、6ヶ月で術後の経過を確認していきます。

痛みや腫れの再発はないか、

またレントゲンで根尖の病変の程度など、

お口の中のクリーニングを通して、

メインテナンスを受けながら経過観察します。

根管充填を行う場合に充填材が根尖部からオーバーせず、

緊密に根管内に充填することができれば、予後の良い結果になりうると言われています。

今回のように根尖が大きく開いているケースの場合など的確な診断を行うことで

その症例に適した治療法を選択する事ことが大切なことであると言えます。

 

“すべては患者様の笑顔のために”

 

今後ともよろしくお願い致します。

 

本山 直樹

医療法人社団徹心会ハートフル歯科