MTAを使用する場合について①
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、、、
「MTAを使用する場合」について、2回に分けて書きたいと思います。
再根管治療の場合、
根尖孔(根の先)が大きく開いているケースに遭遇することがよくあります。
根管は機械的拡大、清掃、消毒まで終了後、
根管充填により根管を封鎖する必要があります。
根管充填の目的としては以下の点が挙げられます。
(1)根尖孔や根管口からの再感染となりうる交通路の封鎖
・根尖孔からの組織液の侵入を防ぎ、
・根管口から口腔内由来の細菌が侵入するのを防ぎます。
(2)根管内の除去できなかった細菌や刺激物を埋葬する
・細菌を埋葬して不活性化させ、再増殖を防ぎます。
根尖孔(根の先)が大きく開いている場合は、
通常の根管充填材では根の先端より先に充填材が
出てしまい、そのことにより異物反応が起こることがあります。
根尖孔(根の先)が大きく開いた場合のリペアとしてはMTAを使用します。
MTAの性質としては以下の特徴があります。
<利点>
親水性であるため湿潤下でも硬化します。
また生体親和性もよく、抗菌作用も持ちます。
さらに硬化時に僅かに膨張することと、
根管壁と接するMTA表面の境界にアパタイト結晶を生成するため封鎖性にも優れます。
<欠点>
操作性が劣ります。
また一度硬化すると取り除くことは困難です。
根管充填材としては薬事未承認であるため、保険外治療となります。
次回は実際の症例を見ながら説明していきたいと思います。
根尖と呼ばれる根の先が再根管治療を繰り返すことによって壊れてしまうことがあります。
このような症例は臨床において、よく見かけられます。
そのため、使用頻度も高くなる傾向にあります。
根管治療において優れた性能を有しているMTAセメントの出現は、
治療を円滑に予後の良い治療へと導いてくれるようになりました。
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹