根管充填の時期を考える②
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、前回からのブログの続きになります。
一つ症例をご紹介させていただきます٩( ‘ω’ )و
42才 女性
右上5番
<主訴>
2〜3日前から急にズキズキとした痛みがあり、冷たいものがしみる
<現病歴>
・歯髄の診査
冷水痛(++持続痛10s)、温熱痛(+)、電気診(+)
・根尖部歯周組織の診査
打診(++)、根尖部圧痛(+)
sinus tract(−)
プロービングdepth(2mm)
<診断名>
・歯髄の状態(Pulpal):
Symptomatic irreversible pulpits
(症候性可逆性歯髄炎)
・根尖歯周組織の状態(Apical):
Symptomatic apical periodontitis
(症候性根尖性歯周炎)
<治療方針>
根管治療
<術前レントゲン写真>
右上の奥から3番目、右上5番には銀歯(インレー)が入ってます。
銀歯の中には補強材が裏層されていますが、むし歯が深かったのか神経近くまで材料が裏層されているのが確認できます。
<ファイル試適>
根尖部まで器具が到達しており、根の長さをレントゲン上で確認できました。
<根管充填後>
自発痛もなく、根管内において自覚症状も消失しており、根管からの出血・排膿などもありませんでした。根管充填のタイミングとしては、条件が整っていると判断して充填処置を行いました。3回の治療で終えることができました。
無事に治療もある程度の期間で終了して良かったです(^○^)
この患者様は銀歯の型取りまで終えられて、次回、銀歯のセットで終了になります。
最後に、根管充填の位置づけについて以前に教わったことを書いておきたいと思います。
根尖にレントゲンにおける根尖部透過像(根尖病変)が認められても、根管を清掃して無菌化を図ることで経過を見ていくと透過像が消失して根尖病変が治癒することがあります。
これは根管治療で重要なことは、根管内から細菌が除去されていることが一番であり、根管充填の成否が治療の予後を直接左右するものではないということが分かります。
但し、無菌化した根管を再感染させないように、根管を緊密に充填するといった根管充填の質を高めることは、根尖歯周組織との連絡を遮断することにつながり、結果として長期的に良好な予後を得るためには根管充填を疎かにしていいというわけではないことをお伝えしておきますね♪(´ε` )
お疲れ様でした♪( ´▽`)
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹