歯根外部吸収
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、「歯根外部吸収」というテーマについて書いてみたいと思います。
なぜ、今回このようなテーマを選んだかと言いますと、先日後輩ドクターが患者様のメインテナンスで口腔内をチェックした時に気になる歯を見つけたそうです。そこで一枚のレントゲン写真を撮影したものを見せてもらいました。
右上7番の根尖を取り囲むように病変が広がり、また歯根の先端が吸収していることが分かります。これは、歯根の外部吸収が起きていると言えます。
外部吸収とは、表面吸収・炎症性吸収・置換性吸収などがあります。表面吸収は外傷後の一過性の吸収で、多くの場合に完全にあるいは部分的に修復されるため、治療は必要としないと言われています。炎症性吸収は、歯根に広範囲の損傷が起きた場合に、根管内の細菌が象牙細管を通じて歯根表面に到達し、そこで炎症が惹起されることで発生します。置換性吸収は、歯根膜の損傷を受けた歯根表面と骨組織が接することで、歯根表面が骨のリモデリングに取り込まれて引き起こされると言われています。
根管に感染が生じた場合には多くの歯に外部吸収が起こります。
イメージとしては、細菌が歯を食べている感じがしますよね( ´Д`)y━・~~
しかし、実は違います。これは、細菌が出す外毒素によって炎症が引き起こされて、炎症性の細胞が歯と骨を溶かしているというわけなのです。レントゲン上に写るぐらいのものは結構大きな骨吸収が進んでいると考えられます。骨は歯より溶けやすいため、レントゲン上でも割と目に見えて吸収が進むことが多いと言われています。ところが、歯は骨と比べて少しずつ溶けることが多いのです。そのため、歯まで溶けているとなると結構進行している可能性が大いにあると思われます。歯を残すブログですが、基本的には抜歯の選択も視野に入れておかなければならないことを患者様にお伝えしなければなりません。他の選択肢としてはMTAを用いた根管治療で対応できればと考えています。歯根が外部吸収しているため、歯根の先端である根尖部は壊れていると思います。そのような場合にこそ、MTAという歯科材料が性能を発揮してくれると考えます。
歯が一本でも残すことができますように( ´∀`)
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹