エクストリュージョン症例集2021② 〜矯正経過編〜
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。
前回からはエクストリュージョン症例集2021の第2弾としてお話させていただいておりますが、
前回は実践編と題して実際の矯正器具の取り付けについてお話しました。
前回のブログはこちら
今回は矯正経過編です。
矯正器具を取り付けて約4週間後、そしてその4週間後の歯根の動きについてお話させていただきます。
まずは矯正を始める前までの状態がこちら。
唇側が歯茎の中まで歯質がないことがわかります。
エクストリュージョンを選択し、矯正器具を入れた状態がこちら。
より効率的に、審美面にもなるべく配慮した設計で矯正がスタートできました。
そしてこれがゴムを結んだ矯正初回の状態です。
この状態から4週間ゴムの牽引を行います。
これが4週間後の写真です。少しアングルがズレてしまっていますが、
若干歯根が見えてきているのがお分かりになりますでしょうか?
ここまでくると引っ張って出てきた歯根や周囲の歯茎が仮歯に当たってしまいます。
当たってしまうと引っかかってしまって、それ以上歯根が動かないので仮歯の干渉部分を
削って再度ゴム紐を結び直し、引っ張り上げます。
今回の歯根は歯茎の深い部分まで歯質を失っていたため、もう4週間矯正を行うこととしました。
これが4週間後(矯正開始から8週間後)です。
初回の時と比べてみましょう。
はっきり動いているのがわかると思います。
ちなみに矯正器具を外すとこんな感じです。
歯もすごく出てきていますが、周囲の歯茎も一緒に動いてくるので、
隣の歯と比べても歯茎のラインの不一致がわかると思います。
このままでは歯茎のラインの不一致の被せ物ができてしまいますし、
周囲歯茎をきちんと整えてあげないと、歯根の後戻り(徐々に深い位置に戻ってしまう)が
起こってしまいます。
ここまで引っ張れれば、いよいよ手術です。
歯肉整形術を行うことで歯肉ラインをなるべく揃える、
矯正後の後戻りの防止ができればより長く保存ができるので、外科処置の苦手な患者さんにも
お伝えし、処置を行うこととなりました。
次回は手術編と題して
エクストリュージョンにおける「歯肉整形術」についてお話させていただきます。
あなたの歯が一本でも多く残せますように・・・。