噛める入歯を作る!(上顎総入れ歯編)⑦~「コピーデンチャー」調子のいい入れ歯のスペアがほしい①~
こんにちは!ハートフル総合歯科グループ 歯科医師 小坂井 竜也です
このシリーズでは上の総入れ歯の作っていく流れや、ポイントを中心にお話しました!
先に本題のお話をしますと、今回は「コピーデンチャー」のお話をしていきます!
精度の高い、新しい素材をしようした作製方法や、その用途を中心にお話していきます!
前回までのお話は、上の入れ歯が完成し、無事にお食事ができるようになりました。
おせんべいのような固いものも問題なく食べれているとのことです!
そしてうれしいことに、もうひとつスペアのようなものはないか?と言うこともおっしゃられたので、いわゆる噛める入れ歯の「コピーデンチャー」を希望されました!
コピーデンチャーとはその名のとおり、入れ歯をコピーしたものです。
そんなことできるのか?というはなしなのですが、結論をいうと100%まったく同じものは作成できません・・・しかし、入れ歯の器の形や噛み合わせの再現性は高いものができます!
この、入れ歯の形と噛み合わせの再現性が最もコピーデンチャーにもとめられているもので、逆にいうと、この方法以外では再現はできません。そして、特にこの噛み合わせの再現は通常の作り方では非常に難しいのですが、この方法では簡便に再現できます。
作り方は2種類あります。一つは過去に一度紹介したアナログでの作成方法
二つ目は、最新の方法で、スキャナーカメラで入れ歯を撮影して、3Dプリンターで作成していく方法があります。
最近では、スキャナーで入れ歯を撮影する3Dプリンターの作成がメインになっております。
その理由をお話ます!
①スキャナーの精度の向上
②3Dプリンターへの理解
③アナログと比較した3Dプリンターコピーデンチャーの優位性
が挙げられます!
①は、当院にシロナ社の最新のオーラルスキャナー「プライムスキャン」が導入され、診療時間内で高速かつ全顎撮影に対する精度の問題を解決できたからです。
②は、3Dプリンターで造形して作る方法とレジンディスクを削り出して作る方法と比較して、3Dプリンターで作成する方が、再現性が高いと臨床上で確認されたことが挙げられます。
③は、アナログでは精度に関しては臨床における合格点は出せるのですが、材料の強度や
磨いたツヤ感などには3Dプリンターのものには劣ってしまいます。
これらの理由により、今回も、3Dプリンターを利用したコピーデンチャーを作成した!
次回は、実際の3Dプリンターの作成工程に移ります!
全ては患者さんのために!