右上第二大臼歯の生活歯髄切断法を行ったケース
こんにちは
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。
今回は右上第二大臼歯の生活歯髄切断法を行ったケースについて書かせて頂きます。
前回のブログはこちらです→https://heartful-konkan.com/?p=18440&preview=true
むし歯が歯の神経に近い場合むし歯を除去していくと歯の神経が露出してしまいます。露出する範囲の大きさにもよりますが、露出すると根管治療をしてないと痛みがでる可能性があります。
今回のケースは術前に診査をしたところ、患者さんの希望もあり歯の神経を一部除去する生活歯髄切断法を選択しました。
担当歯科医師の診査の結果痛みが強いなど症状があったり、歯の神経が正常な反応がなかったりなどの場合は生活歯髄切断法をできないこともあります。
実際のケースです。
前回のブログでむし歯をある程度除去しコンポジットレジン(歯科用プラスチック)で隔壁といって歯に補強をしてからゴムのマスクのラバーダムをしました。
今回は生活歯髄切断を行っていきます。
なるべく感染しないように歯科用回転切削器具の先端に新しいバー(歯科用切削器具)をつけて汚れを除去していきます。
注水の水や汚れはキッチリバキュームで吸引してもらいます。
こちらの画像はむし歯や汚れを除去した状態です。
点線が歯の神経になります。
赤く血の色がでているためご不快になる方もいらっしゃるため、この画像はモノクロにしています。
この状態で歯の神経からの出血のコントロールができない場合は生活歯髄切断法をすることができません。通常の根管治療で歯の神経を除去していきます。
MTAセメントを使用して歯の神経が露出している部分につめていきます。
こちらの画像はMTAセメントを歯の神経の露出した部分につめました。
この後は仮の蓋をつめてこの日は終了です。
最後にデンタルX-P写真を撮って確認します。
点線はMTAセメントです。
次回の来院時に痛みなど確認して仮蓋からコンポジットレジンに材質を変えて被せ物の準備をします。
MTAを使用した生活歯髄切断法は自費治療になります。
すべての方、すべての歯に適応というわけではありません。
ご不明な点は担当歯科医師によく相談して頂ければと思います。
今後ともよろしくお願いします。
井上貴史