こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

 

今回はYoutubeとのリンク第1弾として「歯牙移植とは」についてお話させていただきます。

 

歯牙移植とは・・・

一般的に非機能歯(かみ合わせに参加していない歯)をドナー歯として使用し、受容床(抜歯となる場所)に植え替えることです。

すべての歯に適応になるわけではないため、歯牙移植の適応症となるのかは事前に診査・診断が必要となります。

今回は歯牙移植で考えるべき条件として「個体」「口」「歯」に分類してお話します。

 

「個体」の条件として

年齢:若年者であれば血流量が豊富なため治癒が早いとされている。

 

喫煙の有無:喫煙者は術後に治癒不全を起こす可能性があるため、3ヶ月程度の禁煙を推奨

 

歯周病の有無:移植する足場の健康状態はその後の予後に直接的に影響しますので、事前に治しましょう。

 

全身疾患の既往:高血圧、抗血栓薬、糖尿病の既往は外科処置自体に注意が必要になります。

(また服用薬によっては事前にコントロールする必要もありますので、かかりつけ医との連携が

必要になります。)

 

「口」の条件として

非機能歯:基本的に歯を失ってもかみ合わせに支障が出ないものをドナー歯に設定する

骨幅とドナー歯のサイズについて:骨幅が狭ければドナー歯は入りません。

歯と歯の間が狭くてもドナー歯は入りません。物理的にドナー歯が入る状態かC Tで3次元的に

調べる必要があります。

 

 

「歯」の条件として

移植歯:十分な歯根膜量、湾曲のない単根、生活歯

健康で素直な根っこが成功の条件

 より  の方が移植に向いている

 

受容床側:抜歯窩の骨壁数が多ければ予後がいい

周りの骨のダメージが少ないのが成功の条件

 

「個体」の条件については絶対ということはありません。

若年者であっても喫煙歴があったり歯周病や全身疾患の既往があれば適応外になることもありますし、

中高年の方であっても健康状態であれば行ってはいけないものはありません。

実際に70代の方の歯牙移植を行ったケースもありますが、移植後の経過もよく、

今は何事もなくお食事をされています。

あくまで成功率を高めるために望ましい条件といったところでしょうか。

 

しかし「口」の条件、「歯」の条件に関してはサイズや歯根の形態など直接的に手術の可否に

関わるところのため条件を満たしていなければなりません。

そのため事前にC Tにより3次元的に診断をする必要があります。

 

それでは歯牙移植の成功率ってどれくらいのものなのでしょうか?

次回は歯牙移植の成功率についてお話いたします。

 

あなたの歯が1本でも多く残せますように・・・

 

医療法人社団徹心会ハートフル歯科