右下5番感染根管治療-痛みはないけれども、歯肉が腫れてきた-
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、感染根管における治療症例です。
25才 女性
右下5番 感染根管治療
<主訴>
上顎の前歯2本のむし歯治療で来院。
むし歯が他にもいくつかあり、他院にて治療途中のまま通院しなくなってしまった。
治療の続きを希望しており、全体的に治療必要なところがあれば治してほしいとのこと。
それでは早速診ていきましょう!
<現病歴>
右下5番根尖部透過像(病変)あり
sinus tract(+)
・歯髄の診査
冷水痛(-)、温熱痛(-)、電気診(-)
・根尖部歯周組織の診査
打診(-)、根尖部圧痛(-)
プロービングdepth(3mm)
<診断名>
・歯髄の状態(Pulpal):
Pulp necrosis
(歯髄壊死)
・根尖歯周組織の状態(Apical):
Chronic apical abscess
(慢性根尖膿瘍)
<治療方針>
根管治療
<術前レントゲン写真>
右下奥から3番目、右下5番において
根尖部透過像(病変)を認めます。
黄色丸部分にむし歯の影が見えます。
レジンによるむし歯治療のあとがありますが、
そのレジンの下に新たにむし歯をつくってしまい、そこからの感染による根尖病変と思われます。
根の先に赤で囲った根尖病変があります。
<術前口腔内写真>
右下5番根尖相当部歯肉にsinus tractを認めます。
早速、レジンを除去しながら、その下にあるむし歯を可及的に除去しました。
根管口を明示して感染根管治療を行いました。
ファイル試適です。
根の長さをEMR(電気的根管長測定器)で計測して、さらにレントゲンにて再確認しました。
器具が根尖までしっかりと到達しています。
根の長さを根尖からマイナス1mmに設定。
作業長を19mmとしました。
あとは根管の機械的拡大と清掃、消毒を行います。
2回目の根管治療です。
術前にあったsinus tractも消失しています。
根管内を確認していきます。
異常な出血や排膿もありません。根管充填の準備を始めます!
根管充填後です。
側枝がありますね。
これが原因ですかね?
でも、側枝にも充填材がしっかりと入りました。良かったです!
お疲れ様でした(*^▽^*)
この患者様は次回、ファイバーコアにて支台築造して銀歯の被せ物の型取りを行います。
また、根尖病変がありますので3ヶ月後、6ヶ月後とレントゲン撮影にて経過観察をしっかり行っていく予定です。
今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹