むし歯予防、歯周病予防に重要な歯磨きの仕方
こんにちは。
ハートフル総合歯科グループの歯科医師井上貴史と申します。
今回はむし歯予防や歯周病予防でとても重要なバイオフィルム(デンタルプラーク、歯垢)除去について書きたいと思います。
むし歯や歯周病は細菌の感染症です。原因は細菌の塊のバイオフィルムです。バイオフィルムを例えるのなら排水溝のぬめりや台所のぬめりです。
ぬめぬめしていますよね、毎日掃除をしていないと汚れがたまり、臭うこともあります。ぬめりを除去するために効果的なのが機械的にゴシゴシすることです。ゴシゴシしてキレイにします。
お口の中も同様にバイオフィルムの除去がとても大切です。
そのためには、毎日の正しい歯磨き(歯ブラシの当て方、動かし方など)を習得し、正しい歯磨き習慣がとても大切だと思います。
そこで、今回は歯磨きについて書きたいと思います。
まずは、歯ブラシ選びです。
私はTePe社の歯ブラシをお勧めしています。毛先の形状やブラシの硬さなどがとてもよく、歯と歯肉の間(歯肉溝)に入りやすくプラーク除去に適していると思います。歯ブラシ(毛先の形状や歯ブラシの硬さなど)が良くないと歯肉を傷つけたり、歯肉が痛くて歯磨きができないなどがあります。歯ブラシ選びはとても重要ですね。
次は、歯磨きの仕方です。
まず、歯は3つの面があると思ってください。
1.咬む面(咬合面)
2.頬っぺたの面(頬側面)
3.ベロがある面(舌側面、口蓋側面)
この3つの面を意識して、歯磨きをしていきます。
次は、歯ブラシの当て方です。
下の画像のように歯ブラシの毛先を歯と歯肉の間に入れます。そして、1本、1本細かく動かします。細かいストローク(動かすこと)をすることで汚れが効果的に除去できます。大きなストロークより細かいストロークを意識してください。ストロークの回数の目安は1本の歯の面につき20回ぐらいです。
最後に、磨く順番です。
先ほど説明しました3つの面を意識していきます。
いきなりですが問題です。歯磨きをする上でこの3つの面で難しい面はどこでしょうか?
やはり、ベロがある面(舌側面、口蓋側面)です。一番難しい面を始めに磨くことをお勧めします。なぜなら、集中力が高いときに意識して難しい面を磨いたほうが良いからです。
磨く順番は、ベロがある面(舌側面、口蓋側面)→咬む面(咬合面)→頬っぺたの面(頬側面)がよいと思います。この流れでしたら磨き残しや磨いていないところが防げるのではないかと思います。
今回は左下のベロがある面(舌側面、口蓋側面)からスタートし右下まで1本1本磨きます。右下からスタートしても大丈夫です。
次に、右下の咬む面(咬合面)から左下へ。
最後に、左下の頬っぺたの面(頬側面)から右下へ。そのあとは上の歯も同様に磨いていきます。
今回は、歯磨きについて書かせて頂きました。
よろしければ、この磨き方で磨いてみて頂ければと思います。はじめはうまく出来ないかもしれませんが、毎日意識してやって頂ければ歯磨きが上手になれると思います。歯をなるべく残すために歯磨きによるバイオフィルム除去はむし歯予防、歯周病予防にはかかせません。ご不明な点がございましたら歯科医師、歯科衛生士までお声がけ頂ければと思います。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
次回は実際の歯周病治療の流れについてです。
今後ともよろしくお願いします。
井上貴史