口腔ケアとコロナウィルス対策
新型コロナ感染の重症例の多くは、高齢者や基礎疾患のある人です。栄養状態、免疫力などが備わっていれば感染と重症化のリスクは低下するということです。
治療薬やワクチンがまだない以上、『私たち自身の抵抗力を上げる』のが有効なことは、皆さん理解のとおりです。
抵抗力を上げるために、睡眠・栄養が重要なことも多く語られています。
その上で歯科的な意味からコロナ対策を提案したいと思い、3月20日に興味深い記事を見つけたので、抜粋解説します。
感染予防と重症化防止のための栄養素が推奨されていました。
特に重視されているのが、ビタミンC、次いでビタミンD3、亜鉛です。
1、ビタミンCを投与されると風邪とインフルの症状が緩和し、インフルの感染や症状も予防できたとの報告ありました。
“口腔内”がどう関わるかというと:歯周病がビタミンCを消費してしまうことが問題視されています。歯周病の原因菌(ジンジバリス菌)が多いほど、つまり、歯周病が重度なほど体内のビタミンCが少なかったとの報告があります。歯周病が重度化してビタミンCが少なくなってしまうと、ウイルス性の呼吸器感染症にかかるリスクが高くなる恐れがあるのです。
2、ビタミンDはこれまで、骨を増やすビタミンと考えられていましたが、最近は免疫強化に役立つことも分かっています。
急性ウイルス性上気道感染症のリスクが2分の1に、また回復までの期間も大幅に短縮したとの報告があります。
ビタミンDは、日本人の約7〜9割がの不足状態だそうです、新型コロナに限らず、ウイルス性呼吸器感染症のリスクを下げるには、ビタミンDを十分に摂取すること、そして歯周病をしっかり治療しておくことが望ましいでしょう。
3、亜鉛+ビタミンCを5日間投与され、風邪症状が早期改善したとの報告
歯周病患者では体内の亜鉛が不足していると言われています。歯周病患者さんは、亜鉛が不足気味で風邪が重症化しやすいってことです。
4、歯周病の最も基本的な対策は、きちんと歯磨きをすることですが、高齢者にお口のお手入れ(口腔ケア)を実施したところ、インフルにかかる割合が約10分の1に減少したとの報告があります。
ビタミンCは、特にインフルエンザ、肺炎、ポリオなど、ほぼすべてのウイルスに有効でしたし、口腔ケアもインフルにはよく効いています。
「生活習慣(良質な睡眠)を整え、5種類( 炭水化物、脂質、たんぱく質、無機質、ビタミン)の栄養素を意識して食事することに加えて、1日1グラムのビタミンCを3回に分けて摂取すること、そして、口腔内を清潔に保つことは多くの人が実行可能で、実践する価値のあるコロナウィルス対策といえるでしょう」
歯科医院での口腔ケアによる、歯周病治療がコロナウィルス対策にもなることが、分かって来ました。
なかなかこの時期外出することもはばかりますが、歯周病治療がコロナ対策にも直結することが分かってきました。
メインテナンスに通ってくれていた患者さんも、3月に入りキャンセルされることも、多くなっています。
院内感染防止の取り組みもしっかり行なっております。
コロナウィルス対策にもなる歯周病治療として、メインテナンス、口腔ケアに受診してもらえたらと思います。
全ては、患者さんの笑顔のために・・・
下田孝義
参考資料
https://news.goo.ne.jp/article/otonanswer/life/otonanswer-61985.html