こんにちは

ハートフル総合歯科グループの野田裕亮と申します。

今回は実際の手術の術式について、インプラント治療と比較しながら私なりにまとめてみましたのでご紹介いたします。

【それぞれの術式について】

インプラント

 

 

欠損部の骨にドリルで穴を開けて規格化されたフィクスチャー(人工歯根)を植え込む手術

足場(歯槽骨)の状態が鍵となるので、状態が悪ければ人工骨や自家骨を使って足場を作ってから手術に臨む

手術に関しては規格のネジを入れるための規格のドリルが存在するため、手術の内容としてはシステム化している。

 

自家歯牙移植

 

 

歯牙の形態は千差万別で規格化されたものではない。そのため手術ごとに事前にCT診断などにより歯牙の形態を確認し、骨幅・移植するスペースに適合するかどうかの診断が必要。

また移植手術時には、ドリルによりドナー歯が入るスペース作成が必要なこと、ドナー歯は抜歯後できるだけ早く受容床に植え替える必要があるため手術が煩雑。

 

それぞれの術式については以上になりますが、当院における自家歯牙移植時の成功率を上げるため以下の手順で移植治療を行っております。

当院での移植治療の流れ

・レシピエント側(※)の状態の把握とドナー歯の決定をします。

・レシピエント側に病巣がある場合、保存不可能な歯の抜歯を先に行います。

・レシピエント側の周囲に病巣がなくなった状態でCT撮影とサージカルガイド製作用の歯型をとります。

・インプラントシミュレーションソフトでドナー歯のサイズ分のドリリングの治療計画を立てます。

・移植オペ前日までにシミュレーションの結果を患者様に説明します。

・移植オペを行います。ドナー歯を縫合または医療用接着剤で固定します。(固定は4週ほど)

・固定を外しドナー歯の評価を行います。

・ドナー歯の根管治療を行い、被せ物で咬合を回復します。

※レシピエントとは受容床のこと。保存不可能で抜歯になった移植する歯を持っていく場所のことです。

 

インプラントのフィクスチャー(ネジ)に比べれば歯根のサイズの方が大きいため、骨の削る量が多くなることから一般的にインプラント手術より若干腫れやすい傾向はありますが、可及的に手術範囲を小さくできれば、腫れも最小限で、何よりもご自身の歯を残す治療となるでしょう。

 

それでは次回はどうのようにして可及的に手術範囲を小さくするのか、腫れを抑えることができるのか、成功率を高めることができるのかについてお話させていただきます。

医療法人社団徹心会ハートフル歯科