健康咬合を目指して②〜KYバイトシステムの実際〜
こんにちは!ハートフル歯科総合グループの小坂井竜也と申します。
前回、
健康咬合を目指して〜KY(キー)Biteについて①〜
では、KYバイトシステムで求める目的についてお話ししました。
今回は具体的な手法についてお話しします。
これによってKYバイトシステムの考え方がクリアになると思います。
結論から申しますと、患者さんには
「噛み込まないように、顎の自然な動きをすごーく柔くしたロウで印記する!」
これだけわかっていただければ大丈夫です!
詳しくお話しすると、歯科関係者向けのお話になるので、興味がある方は読んでいただければ、と思います。
この手技の源流は福島県開業の塩田先生ご考案の軟化パラフィン臼歯部咬合法で、
これを弟子の東京都日本橋開業の土屋先生が改良し、有歯顎、無歯顎を区別なく水平的顎位を求める方法です。
手技を簡単に説明しますと、
高温で柔らかくしたワックスを奥歯付近に置き、それを噛みこむのでなく、患者さんの顎の自然な動きを、ワックスに印記させる方法です。
噛み込んでいる噛み合わせは、自然な顎の動きからはずれ込んでしまっている可能性は前回のブログでお話ししております。
なので、患者さんの自然の動きを記録するために、少し高めに(噛み込んでない位置で)噛み合わせをとります。
ここで、ワックスを超高温(1200℃以上)で柔くすると、厚みがあっても指で押すと抵抗なく簡単に潰せるようになる性質を利用します。
そのようにして軟化したワックスを利用していくと、噛み込まない形で無理な力を入れずに患者さん自然な動きを印記することができるのです。
言葉だけですと、分かりにくい点もあるので、次は写真で見ていきましょう!
①高温のバーナーでワックスを柔くながら三つ折にします。
②患者さんの奥歯付近にワックスを置きます。今回は上の歯を基準にしています。
③患者さんに肩の力を抜いて、そーっと奥歯を合わせてくださいと言います。
④そうすると噛み込まない状態でワックスに噛み合わせが印記されるので少し高めになります。
⑤この模型を患者さんの平均的な動きを再現できる機械(平均値咬合器)に付着します。
⑥ワックスを外して、一番噛み込んだ状態を確認します。
⑦この例は奥歯が噛んでません!
⑧実際の口の中ではしっかり噛み込んでます!
このようなズレを診断していくのです!
患者さんと一緒に噛み合わせを診断できますよね?
これがKYバイトシステムになります!
仰々しい装置も必要なく、確実に噛み合わせがわかる方法なのです。
もしご興味があったり、わからないことがあれば気軽にご相談ください!
今後は、噛み合わせの診断した実際の例などお話していこうと思います!
全ては患者さんのために!