歯を救うために(26)ラバーダムがかけられない⁉︎ 隔壁作成について
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回のテーマは、、、
「隔壁」です。
歯内療法処置を行う場合、
無菌的操作というのが重要になります。
特に簡易防湿下での唾液の侵入は歯内療法の失敗に直接的に結びつきます。
しかし、ほとんどの根管治療は再治療が占めています…
つまり、かぶせ物(フルクラウン)が入っている
ケースになります。
この場合、かぶせ物が入るために形成されている
歯牙の残存量は少なくなっています。
そのため、このようなことが起きます…
かぶせ物、土台を除去すると、
ほとんど歯牙が残っていない。
「ラバーダムがかけられない⁉︎」
それでは、どうすればよいのでしょうか??
このような場合に、「隔壁」を作成します!
隔壁とは、
コンポジットレジンと呼ばれる
白いプラスチック材料を用いて
むし歯によって崩壊した歯質や残根状態
つまり、残存歯質の壁数の少ない歯牙の壁を
回復させることを目的としています。
隔壁を作成することでラバーダムをかけることが
容易になり、無菌的環境を得ることができます。
根管治療の成功率を上げるためには、
無菌的処置に努め、根管内の細菌数を
下げていくことが必要になってきます。
この隔壁作成というステップを行い、
ラバーダム防湿をすることではじめて
治療開始になるのです。
実際の隔壁作成の手順です。
隔壁作成前です。
隔壁作成時には、必ずZOOというホース状の
防湿装置を使用します。
ローフロー(流れの緩やかな)のコンポジットレジンを
歯牙周囲に盛り足していきます。
ローフローレジンは適度な流れで狙ったところに
レジンがとどまるために隔壁作成には有効です。
隔壁が作成されました。
隔壁はただ四角い形に取り囲めばいいという
わけではありません。
ラバーダムのクランプと呼ばれるツメの部分が
引っかかる必要があるため、歯のように頬・舌側に
豊隆を作ることがとても重要です。
ラバーダムがかかるようになった状態です。
しっかりとクランプが豊隆部分に引っかかっており
隔壁の目的達成です。
このような事前の処置がとても大切であり、
ハートフル歯科では手間を惜しまず、
これからも最善の治療を行うために
鋭意努力していく所存です。
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹