根管治療を極める!!~さらなる高みを目指して~ (63)ZEISS Forum①
こんにちは。
東京都三鷹市ハートフル歯科の本山です。
6/7(日)に東京のサピアタワーで行われた
Carl Zeiss社主催のZEISS Forumに
井上先生と一緒に参加してきました!
Carl Zeiss社はドイツのイエナに本社を構える
有名な顕微鏡メーカーです。
6つの事業分野に分かれているそうです。
①半導体、②3次元測定、③顕微鏡、④医療技術、
⑤眼鏡レンズ、⑥カメラ・双眼鏡・プラネタリウム
100年以上にわたる医療技術を持ち、
イノベーションリーダーカンパニーと
言われています。
日本との関わりを歴史上で紐解くと
日露開戦時、東郷平八郎が
ツァイス社製プリズム双眼鏡を手に
指揮をとった逸話があるそうです。
砲弾の着地の距離を確認していたとのこと…
ちなみに顕微鏡ができた時は、
日本はまだ明治維新の前であったそうです。
細菌学のコッホもツァイス社製の顕微鏡を
使用してノーベル賞を受賞したそうです。
我々に馴染み深いのは、外科用手術顕微鏡
“マイクロスコープ”です。
私も根管治療でお世話になっています(笑)
ハートフル歯科でも南口、北口合わせて
3台のCarl Zeiss社製のマイクロスコープが
あります。
日本においては顕微鏡の歯科への普及が
まだまだであり、Carl Zeiss社製のもので
1,500台程度だそうです。
今回行われたZEISS Forumでは
9名の著名な先生方が講演して下さりました。
会場が別れていたので、
全ての講演を聴くことはできませんでしたが、
5名の先生方の講演を聞くことができました。
1.市川 一夫先生
最初の講演は、「顕微鏡その過去と未来」と
題しまして中京眼科 視覚研究所所長の
眼科医の先生の講演でした。
眼科の手術に顕微鏡は必須とのことでした。
顕微鏡は、白内障の手術など微細手術の一助を
目的とし、サージカルルーペでは
明るさの不足と困難な姿勢を
強いられるとのことで、
歯科と似ていると感じました。
医科と歯科で分野は違いますが、
非常に興味深く聞かせていただきました。
耳鼻咽喉科用に手術顕微鏡としてOPM1という
名前で発表されたのが世界初だったそうです。
実体顕微鏡の基本構造は平行光を採用し、
現在も変わらなく、固定倍率からズーム式に
なることで術者が目を離さずに
集中できるのでスピードの向上にも
つながっていったそうです。
市川先生は最高で1日108件の白内障手術を
行ったことがあるそうで、最高記録だそうです(笑)
レンズには収差というものがあり、
歯科では歪曲の改良が重要であり、
ツァイス社製の顕微鏡は光学系の改良が
しっかり行われているそうです。
術者の年齢が上がると
加齢とともに色合いの認識が落ちるそうで
より良い照明系、色補正ができているものが
良いと仰られていました。
顕微鏡もプレミアムな時代へ進化し、
顕微鏡に術前の診査から、
切開、挿入軸のアシストガイドを組み込むことで
ガイドをもとに手術ができるとのことでした。
顕微鏡は、
教育のためにも使用できます。
モニターを見ながら、
スタッフだけで状況に合わせて動くことができ、
また手術記録としても残せますので、
手術の画像を患者や家族に見せることができ、
信頼関係も構築できます。
“情報共有ができる”というのが、
医療の面で非常に効果的であると感じました。
そして、年齢が上がれば目も悪くなっていきます。
マイクロスコープは、術者の寿命を延ばすことが
できます。
これは、顕微鏡の最大の恩恵ではないでしょうか…
私は市川先生の講演を聞いて、
改めて強くそう感じました。
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
次回に続く・・・