精密根管治療とは、従来の肉眼で行う根管治療と違い、ラバーダム、マイクロスコープや3次元で正確な診断が可能なCT等を使用して、正確な診査・診断を行い、マイクロスコープを使い、肉眼では難しい根っこの奥底まで見ながら治療していくものです。
歯の根っこのトラブルが原因で安易に抜歯を選択する前に、根管治療で歯を保存することができたらどれだけ有益なことでしょうか!ハートフル総合歯科グループで行っている根管治療をご紹介します。
日本国内ではまだ約1,000台ほどしか導入されていない、手術用顕微鏡で、ハートフル総合歯科グループには、南口院に3台と北口院に2台キッズに1台設置されています。南口院では、2016年に新たに、ドイツのカールツァイスメディテック社のOPMI pico MORA / S100を導入いたしました。こちらは、カールツァイスメディテック社の優れた技術のもとに開発された、卓越した光学系を持ったマイクロスコープです。また、カリーナシステム株式会社のADMENIC DVP2というシステムを利用し、マイクロスコープの画像の録画や編集が可能になりました。日本では導入がまだまだ少ないマイクロスコープですが、アメリカではほぼ100%の歯科医院でマイクロスコープを用いた根管治療を行っております。現在も、次々に新しい治療器具が開発され、細く曲がった根管や枝分かれがあっても、マイクロスコープで見ながら治療の幅を広げることがで可能になってきています。また、最近では特殊な充填法で根管先端までピッタリにお薬を詰める事も可能になりました。ハートフル歯科では手探りで行っていた従来型の根管治療(歯内療法)から、マイクロスコープやラバーダムを用いることにより、確実な治療を行なっております。また、MTA(根管修理剤)の出現により、従来のパーフォレーション(根管内の機械的または、むし歯でできた深い位置の穴など)のある歯の修理・治療が可能になりました。
治療する歯にゴムをかけ、その歯だけが出るようにする器具です。こうすることで得られるメリットはたくさんあります。
お口の中に小さなオペ室(無菌室)を作るような状態での治療なので、細菌感染を防ぎながら治療を行うことができます。
ハートフル歯科では、5台の歯科用CTを導入しています。 CTは、2次元のレントゲン写真では診断しづらい複雑な根っこの形態や、何らかの問題が生じている場合に3次元的に正確に診断することが可能です。正しい診断が、良い医療には不可欠です。 一般によく聞く「CT」とは「Computed Tomography」の略で、コンピュータを駆使したデータ処理と画像の再構成で、断層写真を得ることができる装置です。 歯科用CTとは、近年開発された歯科に特化したCT装置で、医科との大きな違いは、撮影方法が医科は横たわるのに対し、歯科用ではどこのメーカーの装置でも座ったままでの撮影となることです。 ハートフル歯科南口院では、ドイツのシロナ社製『ガリレオス(GALILEOS)』という断機器に続き、国内導入実績NO.1純国産のNAOMI-CT(歯科用CT)を2016年に導入しました。 ガリレオスの大きな特徴は 、X線量が低く、高画質・広範囲撮影が可能な 「イメージインテンシファイアー技術」。機器による差はありますが、一般医療用CTの放射線量は2000μSVとも言われており、「ガリレオス」の29μSVという線量は、一般医療用CTはおろか、歯科用CTの中でもたいへん低い線量といえます。 追加で設置したNAOMI-CTの特徴は、座位撮影でブレが少なく、オフセットスキャン方式を用いた広範囲の撮影が可能になり、撮影から画像表示まで、約1分半という驚異的な処理速度です。お忙しい患者様のニーズにお答えできる物と自負しております。
根管は、通常ですと前歯で1根管 小臼歯で1~2根管 大臼歯で3~4根管です。しかし、曲がっている根管や見つからない根管は多くあります。 このケースは、2根管しか見つからず、CT により3根管見つかったケースです。 レントゲンで根管の形や長さを確認して治療しますが、通常のレントゲンは平面的です。 重なった根管、分かりにくい根管には、歯科用CTが有効です。 立体的に上下・横・斜めに観察でき、根管の実像を把握できます。
レントゲンで観察すると、歯根の先に黒い影が見られることがあります。外科的処置が必要なのか、根管治療で対応できるのか診断しなければなりません。歯科用CTでは、病巣の大きさを立体的に観察できます。また、病巣が神経の近くや鼻の下まで広がっているかを確認することができます。この症例は、通常のレントゲン画像では病巣の大きさがよく分からず、CT により根尖病巣の大きさを確認することができ、歯根端切除術で対応したケースです。
根管治療の痛みの原因として、パーフォレーション( 歯に穴が空く) による細菌感染があります。 従来の肉眼で行う根管治療だけでは、細菌の感染経路の特定が難しい場合があります。 歯科用CT では、パーフォレーションなどの穿孔を見つけることができます。 この症例は、奥歯の根が分岐している部分にパーフォレーションが見られる症例です。 パーフォレーション部分をMTAセメントにて封鎖し、対応したケースです。 (※MTA については、次の項目を参照下さい)
MTAセメントとは、1993年に米国で開発されたセメントで、1998年以降、諸外国では虫歯や歯科治療によって歯の根に穴があいた場合や歯にクラック(ひび)が入った時などに用いて実績を挙げています。 生態親和性が高く安全性に優れ、強アルカリ(pH:12.5)の為根の先の細菌に対して持続的な殺菌効果があります。このように海外では、様々な臨床応用が認められていますが、日本では2007年に覆髄材としてのみ、薬事認可されました。※覆罩材として認可を受けているので、保険内根管治療で使用することができません
ハートフル歯科では、主に根管治療において パーフォレーション(歯に穴が空く)などのリペアに使用しています。
精密根管治療を行うにあたって、マイクロスコープは必須となります。 マイクロスコープは、購入したらすぐ上手に使いこなすことが出来るというものではありません。使いこなすのには、トレーニングが欠かせません。 従来の治療器具を用いるのと異なり、術者の手や器具が邪魔をするので、鏡越しに反転画像を見ながら治療を行います。 そこで、当院では院内のドクター全員が大学病院にもないような、マイクロスコープのトレーニングを受け、根管治療の講習会に参加するなど、日々研鑚を積んでいます。
根管治療には、根管内を無菌化することが重要です。 そのために、徹底した器具の滅菌および消毒は欠かせません。 治療用器具は、4種類の滅菌器を使用して、治療直前に開封いたします。
根管治療の成績は根の形が複雑で個人差が大きく、予後が悪かったり、再発する場合も多いのが現状です。 絶対的な予後が期待できる治療ではないので、高額機器を使用しても保証期間の設定が難しいと言えます。 そのため、ハートフル歯科では根管治療という分野で、保険外診療をすすめることができないのです。 ハートフル歯科の根管治療は、保険内治療で行っております。
三鷹ハートフル総合歯科グループ
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