歯を救うために(19)相関法 (歯の形態を変えずにそのまま・・・)
こんにちは
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回のテーマは、、、
「相関法」です。
セラミック治療において、
現在の歯牙の形態を変更せずに
そのまま口腔内の歯を削った支台歯に再現する
治療法があります。
それが、、、
「相関法」と言われるCAD/CAMを
利用した治療法です。
製作する修復物の形態をあらかじめ記録された
形態データ(コピー)に合わせてつくる方法です。
従来の方法は形態を一から作製しますので、
自由度が高いが再現性が低かったり、一発勝負の本歯作製ということになってしまいます。
デザインする分の時間もかかります。
相関法のメリットは、現在の歯牙の形態そのままなのでデザイン時間の短縮になります。
従来の口元を再現したり、仮歯で整えた形を再現することが可能です。
結果、患者様の待ち時間を減らし、来院回数を減らし、満足度をあげられます。
素早く美しく、希望通りの歯を口腔内にセットすることができるのです。
・入れ歯を支える歯の形態をコピーする。→旧義歯がそのまま使える。
・むし歯治療をする→マウスピースの作りかえなど不要
・仮歯で十分な打ち合わせ後にそのまま形態を再現出来なかった→再現性が高く、仮歯の満足度が再現しうる。
相関法は設備面や歯科技工士の存在、CAD/CAMの経験値などがないなどの理由で、
多くの歯科医院では難しい治療方法と言えます。お知りおき下さい。
52才 女性
右上1・2番の歯の変色が気になる
セラミック治療希望
術前のカウンセリングにおいて
私と技工士、患者様で治療内容の確認を行いました。
歯牙の形態に関しては現在の形態に問題がなく、気に入っているとのことだったので
前歯のイメージを変更しないで済むように、あえて「相関法」で行うことにしました。
術前の右上1・2番における形成前の歯牙です。
形成前の歯牙のコピーを撮影した状態です。
形成後(歯を削った後)です。
コンピューター上で形成前の歯牙と
相関(マッチング)された状態です。
前歯部の相関法において、コピーされた
以前の形態をベースにデザインできるために
デザインの簡略化という部分で技工時間の短縮に
つながります。
これは相関法における一つのメリットで
あることは間違いないでしょう!
相関法の使用目的ですが、矯正治療や歯ぎしり防止装置、スポーツ用のマウスピースを使用している
患者様や前歯部などで形態をそのまま再現したい場合など用途はたくさんあると思います。
※矯正治療はマウスピース矯正に限ります。
ブラケットが歯牙に装着されたワイヤー矯正は対象外となりますことをご了承下さい。
デジタル治療の素晴らしさを是非、
たくさんの患者様にお伝えできればと思います。
また、別のアプローチによる入れ歯のバネに
合わせたセラミックの相関法についてのブログが
ありますので、よろしければ参考にしてみて下さい。
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹