歯を救うために(78-①)右上6番感染根管治療PART6-他院(矯正医院)からの紹介①-
こんにちは。
ハートフル歯科のドクターM
本山です。
今回は、、、
感染根管における治療症例Part(6)です。
29才 女性
右上6番 感染根管治療
<主訴>
他院にて矯正治療中。
下顎にはワイヤーによる矯正装置が
入っています。
上顎はこれから始まるとのことで
矯正医院にて根尖に病変があるので
一般歯科で根管治療を行うように
言われたそうです。
痛みはそれほどないが違和感をたまに
感じるとのこと。
腫れているところが大きくなったり、
小さくなったりするそうです。
家の近くの一般歯科を受診したところ
抜歯しかないと言われたそうです。
不安になり、インターネットで調べて
当院を受診。
この患者様も少し遠方の方で
電車を乗り継いで来院してくれました。
ご指名もいただき、ありがとうございます。
それでは早速診ていきましょう!
<現病歴>
左下6番根尖部不透過像(病変)あり
sinus tract(+)
・歯髄の診査
冷水痛(-)、温熱痛(-)、電気診(-)
・根尖部歯周組織の診査
打診(+)、根尖部圧痛(+)
プロービングdepth(2mm)
<診断名>
・歯髄の状態(Pulpal):
Previously treated
(既根管治療歯)
・根尖歯周組織の状態(Apical):
Symptomatic apical periodontitis
(症候性根尖性歯周炎)
<治療方針>
根管治療
<術前レントゲン写真>
パッと見て過去に根管治療がされている
既根管治療歯であることは分かりますが、、、
特に目立った感じは見受けられませんが、
角度を変えてもう一枚レントゲン写真を撮影してみました。
少し角度を変えてレントゲン撮影を行いました。
あんまり角度変わっていないかも、、、笑笑
それでも黄色丸部分に根尖部不透過象(根尖病変)が
確認できます。
<術前口腔内写真>
右上奥から2番目、右上6番において
銀歯の被せ物が装着されています。
根尖部付近の歯肉にはプクッとしたおできのような
sinus tractが確認できます。
銀歯と金属の土台を除去して隔壁まで作製しました。
ラバーダム防湿を行い、根管治療を開始します。
中を見ると3根管確認できます。
ガッタパーチャとその周りがだいぶ汚れていますね。
これも除去していきます。
除去していくと細菌感染特有の臭いにおいがしてきます。
古いため、かたくてボソボソしています。
マイクロスコープをある程度の時間覗きながらになりますから、
結構大変で地味な作業になります。
集中力を使いますので、しんどい時もあります笑笑
時間内いっぱい使って、できる限りガッタパーチャを除去しました。
まだ、完全にはとりきれていない状態です。
細かいところが残っていますね。
徹底的にやりますよ!
ガッタパーチャ除去後のレントゲン写真です。
レントゲン上はほとんどなくなりましたね。
sinus tractからガッタパーチャを挿入して
原因根の特定確認を行いました。
DB(遠心頬側根)に向いてますね。
2回目の根管治療。
歯肉にプクっとしたおできがなくなっている、、、sinus tract消失しましたー( ´∀`)
引き続き根管の機械的拡大・清掃、消毒を
行いました。
MB根(近心頬側根)の拡大画像
MB2がありそうな感じがしますが、
見つかりませんでした。
DB根(遠心頬側根)の拡大画像
この根管は小さなファイルが折れてました。
除去しておきました!
P根(口蓋根)の拡大画像
この太い根管が一番根管壁に汚れが
こびりついていました。
可及的に根管壁の汚れを除去しました。
内容的にだいぶ長くなりそうなので
次回以降の治療の続きは
次のブログに書かせていただきます。
お楽しみに♪( ´▽`)
さぁ、今日も一日頑張りましょう!
“すべては患者様の笑顔のために”
今後ともよろしくお願い致します。
本山 直樹